最近、株をする人がにわかに増えているようです。堅実にお金を増やすのならば銀行などの定期預金に積み立てればいいのでしょうが、長らく続く不況のため、利率もよくなく、そういうのに嫌気がさしている人が一発狙って株に手を出すのもわからなくはありません。特に、最近注目を浴びている言葉としてデイトレードというのがあります。初心者にも簡単に株取引ができるなんてのがうたい文句になっているようですが、本当にデイトレードは初心者でもできるのでしょうか。それ以前にデイトレードって一体何なんでしょうか。
デイトレードとは、株取引の一種です。元々株取引というのは、先々を見越してターゲットにした株式を購入して利益を出そうとするものですが、このデイトレードは、長期的なスパンで見るのではなく、1日という短期スパンでの取引で利益を出そうというものです。
今述べたばかりですが、本来の株取引というのは1ヶ月2ヶ月、場合によっては1年2年スパンで株が上がるかどうかを見極めて投資して利益を出そうとするものです。それに対し、デイトレードは短期間で利益を出そうとする取引です。株の値段というのは日によって変動するのは当たり前ですが、実際は分単位で価格が上下しています。デイトレードはこの分単位の株価格の上下を見極めて儲けを出そうとするものなのです。例えていうなら、通常の取引が1ヵ月後の100円アップを見極めるのに対し、デイトレードは1分後の5円アップを見極めるといった感じでしょうか。分単位の取引で結果が出てしまうため、勝敗の結果が出るのも早いです。デイトレードはせっかちな人にはぴったりの方法でしょう。
デイトレードのやり方自体は少しでも株に詳しい人であればすぐ思いつく方法ですが、かつてはほとんど行われていませんでした。株取引は個人個人で直接行うのは非常に困難で、通常は証券会社を通じて行うのが普通です。しかし、株取引を行うと、証券会社に手数料を支払わなければなりません。この手数料が結構な金額で、とてもではありませんが数分単位でのレベルの利益で儲けられるようなものではありませんでした。従って、株取引は通常の取引以外での利益を出す方法が存在しなかったといっていいでしょう。しかし、金融ビッグバンによる規制緩和により、株取引に関わる手数料が自由化されます。そうなると、どこの証券会社も顧客確保のために手数料値下げに走り、どんどん値段が安くなっていきます。手数料値下げにより、数分単位の利益でも十分な稼ぎが出せるようになったため、デイトレードという方法が脚光を浴びるようになったのです。
デイトレードは数ヶ月先のことではなくて数分先の株価変動を読む力が必要です。株を買った1分後に10円上がっていたとしても、その1分後には20円下がっているかもしれません。この細かな株式変動を常時チェックしておかなければなりません。また、デイトレードの場合は複数の株式を駆使して利益を出そうとするため、多数の株式チャートを常に閲覧しなければなりません。このため、デイトレードを行っている人の前には何十台ものモニターが置かれています。これを常に凝視し、分単位で取引を行って利益を出すわけです。
さて、デイトレードの基本的なお話はしてきましたが、「自分でもできそうだ」という人と、「デイトレードはちょっと・・・」という人に分かれたかと思います。中には、「よーし、明日からデイトレードするぜ」と意気込んでしまった人もいるかもしれません。通常の株取引にもメリットとデメリットがあるのと同様、デイトレードにもメリットとデメリットが存在します。デイトレードをやるにしても、そのメリットとデメリットを正確に知らなければなりません。
デイトレードの一番のメリットは、短時間で結果が出るというところです。うまくいけば、1時間で数万円単位の利益を出すことも可能です。また、インターネット環境があれば家でも手軽に始められるというのもメリットです。また、分単位での取引なので、運がいいだけで儲ける事も可能であり、ビギナーズラックが通用する世界でもあります。全くの株の素人でも儲けることが可能なのです。
デイトレードは分単位での取引ですから、リアルタイムで株価変動に機を配らねばならず、精神力を大きく消耗します。また、同じ理由で、株式チャートから目を離すことができず、おいそれとモニターの前から席を外すこともできません。また、運がよければ儲けられるというのは、逆に言えば、運が悪いと損するということです。長期的な視点よりも、短期的な視点での方が株価の上下には偶然性が関与する割合が大きくなりますから、安定して利益を出せるかどうかは疑問です。
以上のことからわかるように、デイトレードで本格的に儲けるためには、多大な労力が必要であることがわかると思います。ちょっと株をやってみようかな、くらいであれば、簡単に始められるデイトレードは家でもできますし、初心者でも儲ける事は不可能ではありませんから、お手軽なデイトレードは初心者向けと言えるかもしれません。しかし、本格的にやるとなると話は変わってきます。デイトレードだけで儲けるためには、一瞬先を読む力、センス、そして決断力が問われます。こういったものを初心者が持っていることはまずないでしょう。よく「デイトレードで1ヶ月で何百万儲ける方法教えます」なんて謳い文句でデイトレードセミナーへの参加を募っているところもありますが、初心者が参加して果たしてそんなに簡単にデイトレードで儲けられるようになるのでしょうか。遊び感覚で株をするのであればデイトレードでもいいと思いますが、本格的にデイトレードをやろうと思うのであれば、株に対する認識を深めて、それからデイトレードに挑むべきだと思います。まずは通常の株取引から始め、しばらく株の勉強をし、十分知識が深まったところでデイトレードにチャレンジすることをお勧めします。
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